ジョセフ・H・ピラティスって？ピラティスの考案者、その生涯とは？

ジョセフ・ピラティスは、幼少期は病気に苦しむことが多く、リウマチ熱や喘息などを患っていました。母親は自然療法の医師で、父親は体操選手でした。そのため、カラダを強くすることに興味を持ち、父親の勤務するスポーツクラブで様々なトレーニングに取り組み、15歳になる頃には、鍛えられた体を手に入れていました。当時、彼が取り組んだトレーニングは、器械体操、レスリング、ボクシング、ヨガなど非常に幅広かったのです。

その後も、彼は西洋のトレーニングだけでなく、東洋の身体の訓練方法なども学び、旅をしながら様々な勉強を続けました。

第一次世界大戦が始まると、彼はイギリスでボクサーをしながら護身術の指導者としても働いていましたが、ドイツ人であることから捕まり、収容所に入れられることになりました。この頃から、抑留者たちに自分が開発した運動を教えるようになり、その中で寝たきりや動くことが困難な患者に対して、ベッドに使用されていたバネを使ったトレーニング器具や方法を開発しました。これが、現在「ピラティス」と呼ばれるトレーニングの始まりです。

第一次世界大戦が終わると、彼はドイツで再び護身術や身体トレーニングの指導者として働き始めました。彼は、ドイツ軍警察の訓練なども行っていましたが、政府から新たに作る軍隊の訓練を依頼されると、これを避けるためにアメリカに移民として渡ることになりました。

アメリカで働いた先のジムを引き継いだ彼は、ダンサーやアスリート、音楽家や俳優など、様々な人々に指導を行い、その人気と影響力は次第に広がっていきました。ジョセフ・ピラティスは、その後も亡くなるまで研究と指導を続けます。ピラティスはニューヨークで生涯を過ごし、多くの人々にピラティスを教えました。彼のトレーニング方法は、ダンサーやアスリート、俳優などの間で人気を博し、多くの有名人が彼にトレーニングを受けに来ました。

彼は、自らのトレーニング方法を「コントロロジー」と呼び、コントロール、中心、集中、流動性、精神面の理解、呼吸の重要性を特徴とする、全身を使ったトレーニング法を提唱しました。また、トレーニング器具を多く開発し、リフォーマー、キャディラック、チェアなどが代表的な器具として使われるようになりました。

ピラティスが戦後、ドイツに戻った後は、再び身体トレーニングの指導者として働き始め、教育者やトレーナーとしても活躍しました。彼の教えは多くの人々に受け継がれ、ピラティスの普及に大きく貢献しました。

ピラティスは、その後、晩年まで研究と指導を続けました。1967年に逝去したピラティスの教えは、彼の弟子たちによって受け継がれ、今日に至るまで世界中で広く実践されています。

1990年代に入ると、ピラティスが創始したトレーニング方法は、健康や美容、美姿勢を求める人々の注目を集め、その効果や効能が注目されるようになりました。現在では、世界中のフィットネスクラブやスタジオでピラティスが行われ、多くの人々がその効果を実感しています。